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3がつ11日をわすれない展 2013 「仮設住宅からの手紙」

Kira89

歌舞伎町2020
3がつ11日をわすれない展 2013
仮設住宅からの手紙

日 時:    平成25年3月1日(金)〜17日(日)

会 場:    ホテル白川郷・1階喫茶室
           東京都新宿区歌舞伎町2-29-11  TEL 03-3200-5255

アクセス:JR線(山手線・中央線) 新宿駅 東口より徒歩10分
     西武新宿線 西武新宿駅 北口より徒歩3分
     地下鉄都営大江戸線 東新宿駅より5分

内 容:

【展示】
仙台在住のアーティスト・門脇篤による、あすと長町仮設住宅における、コミュニティ支援活動「おしるこカフェ」のパネル展。

【イベント】
「おしるこカフェ」in歌舞伎町 3月9日(土)13時〜15時
仙台・あすと長町仮設住宅で始まった、コミュニティ支援のためのサロン
「おしるこカフェ」が、昨年8月に続き、歌舞伎町に出張!    
手作りのおしるこに舌鼓を打ち、震災後のコミュニティについて、みんなで語りましょう。
出演:門脇篤(現代アーティスト)ほか。

趣 旨:
2011年3月11日の東日本大震災から3年目になります。
痛ましい出来事の数々は、決して風化するものではありません。
同時に、この災害に立会い、復興に尽力する人々の姿は、私たちに、本当に大切にしたいたくさんのものを教えてくれました。

展覧会の会場である、ホテル白川郷は、都会の喧騒の中にありながら、昔ながらの“旅籠(はたご)”のホスピタリティを提供する稀有なホテルで、          震災復興に奔走する人々の東京の定宿として知られた存在です。

歌舞伎町に存在する、遠くて近い被災地に思いを寄せる、祈りと癒しの場に、ぜひお運びください。

■本企画は、39アートの日に参加しております。

主 催:特定非営利活動法人コミュニティアート・ふなばし
協 力:ホテル白川郷 稲荷鬼王神社


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仮設住宅からの手紙

拝啓
 
 歌舞伎町のみなさま、いかがお過ごしですか。そちらにも一月に大雪が降ったと聞きました。仙台もここのところ珍しく雪一色です。
 震災から二年がたとうとしています。すでに震災は過去のことだ、もう誰も覚えていない、といった話も耳にします。一方でこちらの、特に沿岸部では、震災はいまだ日常です。
 仙台の中心部近くにあるこの仮設住宅は、そういう意味では少し変わった場所です。遠く、南三陸町や石巻、亘理、山元、南相馬からも入居されています。そうしたことがわかってきたのも、去年の一月から毎月一回、「おしるこカフェ」という、ただおしるこを食べるだけでほかには何もしない(してもいいですが)という場を、千葉の下山さんと始め、しばらくたってからのことでした。それから月に一度、たまには二度三度と集まって、顔を合わせ、お話をしてきました。
 二年が過ぎようとする今、何か少し変わってきたなという気がします。このお正月、宮城のお雑煮のつくり方を教わる機会がありました。焼きハゼでだしをとり、細く切った大根やにんじん、ごぼう、それにカラトリと呼ばれる里芋のくきや、いくらなどを乗せた具沢山の宮城のお雑煮。おおまかには一緒なのに、ひとりひとりに聞くと家々で違っているそのお雑煮。もうお正月も終わった一月の八日の「おしるこカフェ」に、「初めて来た」というご婦人がいらっしゃいました。しかもその方は、「今年初めてお雑煮を食べました。仮設ではひとりなのでお雑煮をつくることもなくて」と言うのです。
 毎月、「おしるこカフェ」の開催を知らせる通信を、二百数十世帯にポスティングしていますが、今年に入って何軒もの家のポストに目張りがされていて、仮設ではないところで年越しをしたんだなと思いました。
 目には見えないけれども、何かが変わってきたように思います。ひとつには、みんながこの状況を受け入れる余裕が少しずつ生まれてきたのを感じます。もうひとつは、こういう中で、こういう中だからこそ自分たちの力を見出し、強め合っている人の力に驚かされます。
 石巻では、主婦のみなさん(みんな被災されています)が小さな取り組みを重ねることによって、地元にしかできない取り組みを行っています。それはどんなに有名で大きな企業にも、どんなに専門知識やお墨付きのある人にもできないことなのです。それは顔の見える具体的で小さな関係をひとつひとつ築いていくことこそが、生きていくこと、コミュニティをつくり、まちをつくり、そして震災後の社会をつくっていく上でいかに重要であるかを明らかにしてくれています。
 また、仮設住宅に住みながら、手を上げて起業し、カフェを開いた女性たち。みんながほっとできる場をつくりたい。仲間の仕事をつくりたい。そんな小さくてしかし大きな気持ちでがんばっているお話を聞きました。
 自分は被災者だ、弱い立場の人間だと語るのではなく、今できること、今だからできることを考え、持ち寄り、考え、助け合って、何かが起ころうとしています。
 そこに生まれつつあるのは、お金や動員数、よそからの評価といったものを基準にものごとをとらえ、ひとを萎縮させることで競争に勝つというような世界ではなく、これなら自分にもできるのではないかという具体的で顔の見える、みんなが一歩踏み出せばでき、勇気ややる気を持ち寄ることができる世界です。
 我々は震災からたくさんのことを学びました。「震災を忘れない」というのは、津波や地震から逃れるために、その恐ろしさや失敗から学んだノウハウを忘れない、ということだけではありません。震災から助かった命、そこで生まれた関係性の大切さを認識し、それをこれからどう生かし、みんなのものにしていくのか。その気づきを忘れないというのが、「3がつ11にちを忘れない」という意味だと思います。
 震災前と同じ尺度、価値観で生きている人を見ると、とても残念な気持ちになります。私はもう震災前の社会には戻れない、戻るべきではないと考えています。
 「仮設住宅」というのは、何も被災地にあるものだけではありません。日本中、世界中にあるのではないでしょうか。そして一方で、それは必ずしも悲惨さや不幸、不運を意味するものでもなく、我々が知恵を出し合い、支え合って、そこでしかできないことをしていく、それによっていわゆる仮設住宅を、もっと違う響きをもった言葉へと変えることができるのではないでしょうか。
 だからこの手紙、仮設住宅からの手紙は、かわいそうな被災地からの手紙ではありません。世界はもっと大きなものだということに気づき、その中に生き、それを今後も伝えていかねばならないという使命、そして喜びをもった場所からの手紙です。
 歌舞伎町のみなさん、震災後、社会は、あなたは変わりましたか。変えようとする勇気ややる気を得ることができましたか。もしそうでないなら、そんなことはどうせできないし、無駄だと思うのなら、一度私たちのところを訪ねてください。きっと、何かを得ることができると思います。

敬具

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