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2016.12.28

熊野のなれずし

熊野速玉大社にお参りし、神倉神社に向かう途中の道、こんな看板が目に入りました。

とうぜん、入るしかない!
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お店の奥に声をかけ、出てきたお母さんに「なれずしは有りますか?」と伺うと、「ありますよ」と。
サンマの2種類があり、ちょうど地方発送の支度をしていたそうです。
これがサンマ。
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で、こちらが鮎。
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僕が、「お魚は地のものですか?」と伺ったところ、お店のお母さんがとても戸惑ったようだったのが、とても印象に残りました。
「ええ、そうですよ」と、そんなことを聞かれることをまったく想定していなかったような反応。
サンマも地物だし、鮎も熊野川の上流で捕れたもの。
冷凍ものを仕入れて作るような、まがい物とはワケが違うのです。
なれずしを作るのは、11月ごろから3月くらいまで。
それ以外はお店も閉めているそうです。
なれずしを作る人も、新宮ではこのお店を含めて2軒しか無いそうです。
お母さんいわく、「魚が入荷する時はいっぱい来るから、漬け込みが本当に大変で。重労働をご主人と2人でこなすのは辛い。自分のおばあさんから引き継いだけど、子どもはあとを継がないから、自分が作るのをやめたら、終わり」。
近くにもう1軒、なれずしの看板を出していたお店がありましたが、こちらは呼び鈴を鳴らしても、誰も出てきませんでした。
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さて、気になるお味ですが、こちらがサンマ。
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こちらが鮎。
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共通しているのは、同じなれずしでも、鮒ずしとの違い。
鮒ずしは、ニゴロブナの身を食べるのがメインですが、熊野のなれずしは、漬けたご飯も食べるということ。
で、このご飯が餅状になってます。
で、発酵して酸味・旨味などが非常に濃厚。
「寿司」というより、よく熟成したチーズを食べているような感じです。
魚の身の方は、乳酸発酵のため生じた乳酸で締められて、サンマは「しめ鯖」のような味わいで、とても美味しいです。
鮎の方は、発酵が進んでいたようで、ご飯がさらに柔らかくてクリーム状。鮎が小さかったせいで、あまり味がしない。強いて言うならば、鮎の身はお菓子のような良い香りがしていました。
お店のお母さんによると、お正月には大きな鮎で作ったなれずしを、みんなが欲しがるそうなので、今出しているのは小さめの鮎を使っているのだと思います。
総合的な感想としては、普段私たちが食べている、酢でご飯に味を付けて作る「はやずし」の感覚で食べると、まったくの別物。
「はやずし」が「江戸のファストフード」だとすると、こちらの「なれずし」は、お酒の肴。ほんと、チーズだと思うとピッタリだと思います。
たまたま歩いていて、和歌山の非常に貴重な食文化に出会うことができました。感謝。

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