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2011.05.14

何もないアートプロジェクト

2011年3月14日(土)、今日は船橋市本町通り「きらきら夢ひろば」
コミュニティアート・ふなばしは、仙台在住の現代アーティスト門脇篤さんを招聘し、「いどうどうぶつえんをつくろう」「震災カフェ」の2つのプログラムを実施しました。

この「きらきら夢ひろば」は、今年で7年目になる、商店街とNPOの協働による地域づくりイベントで、10以上のNPOが参加し、商店街のあちこちで趣向を凝らした出し物が行われます。

門脇篤さんに参加していただいて、今年で6年目になります。

この「きらゆめ」(とみんな呼ぶ)、昨年あたりから、自分の中で、もやもやした気持ちが、なんとも気持ち悪く、言語化できないもどかしさに、もんもんとしていた。

「きらゆめ」における門脇さんのワークショップは、ワークショップの定石をまったく無視したもので、会場は、道路の歩道からちょっとセットバックはしているものの、ほとんど「ストリート」、参加者は当日になるまで何人来るのか分からない、参加者は入るも出るも自由、出来上がった作品は“お持ち帰り”できない。
毎回、200にんくらいの子どもを中心とした家族連れで賑わう、本町通りの風物詩と化している。
ちなみに、6年もやっていると、近くの船橋小学校の児童の皆さんは、ほとんど門脇WSの経験者で、知らない子はほとんどいません。

今回は、さまざまな素材を使って、商店街が呼んだ本物の「子ども移動動物園」のチャボやウサギやヒヨコの隣りで、不思議な動物を製作してもらうという内容のWSだった。

この門脇さんのWSは、もう一つ特徴があって、アーティストである門脇さんは、場を設定し、素材の準備をし、「どうぶつをつくってね」と言ったきり、ほとんど「指導」というものを行わない。

参加者は、大人も子どもも、それぞれに「どうぶつ」を作る。
今日は晴れて、日射がけっこう厳しく、気温も上がったけれど、皆さんひたすら作る作る。

座り込んで作る。寝っ転がって作る・・・。

この寝っ転がって作る子どもの姿を見ていて、一つ目の前が開けた。

これまで、「まちづくり」と言うと、住民が「吉祥寺LOVE!」と叫んだり、「横浜を愛してます!」と言ったりなど「地域に愛着」とか「地元を誇れる」ということが成功の見本のような言われ方をしていた。
また、「まちづくり活動」の結果、新しいお土産品ができたり、お金が儲かったり、新しいお店がオープンしたり、雇用が生まれたりというのが「成功」と言われてきた。

しかし・・・。

「きらゆめ」は、非常に成功しているけど、上記の指標のどれにも当てはまらない・・・。

「きらゆめ」でお金が儲かったなどという話は聞いた事ないし、商店街は「きらゆめ」のために毎回かなりの経費を負担している。
雇用が生まれるなんてない。

さらに言えば、「感動」とかもないっぽい。

楽しいか楽しくないかといえば、楽しいかも知れないが、「きらゆめ」とディズニーランドどちらを選ぶか?と聞いたら、みんな「もちろんディズニーランド!」と答えそう。

ニュースになるようなトピックも、最近無い。

門脇さんのアーティストキャリアになって欲しいけど、それもいまいち不安。

・・・。

そう、「きらゆめ」には、何もない。

「成功」も「成果」も何もないように見える。

しかし、これは、従来の「まちづくり」の尺度だったと思う。

「きらゆめ」における門脇篤さんのプログラムをキーワードを挙げるとすると、「のんびり」「くつろいで」「落ち着いて」「楽しく」あたりになるのではないかと思う。

住民に、これらの状態を提供することができる人がいれば、それは「鼓腹撃壌」に出てくるような「名君」ということになるだろう。

「指標」のお話をしたが、門脇WSの参加者の、心拍数・血圧・IgA (免疫グロブリンA)の値を測定すれば、有意差が出ると思われる。
不安と孤独のストレスに苛まされる現代日本で、創造活動でこんな「まちづくり」ができるプログラムがあるということは、驚きに値する。

まちなかで、こんなのんびりした体験というと、船橋の漁村側で見た光景を思い出す。
夏の夕暮れ、ステテコ一丁でママチャリをこぐおじいさんの姿だ。
そんなゆったりと落ち着いた気持ちで、自分を開放して暮らすことができる「まちづくり」。

一見「なにもない」、門脇WSが導く世界の未来性に打たれた、今日の善き日でございました。

「震災カフェ」については、また今度。

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2011.05.11

5.11 南三陸の海に思いを届けよう

南三陸町で行われる黙祷集会のネット中継のお手伝いをしております。
ライブ中継を行いますので、ぜひご覧ください。


5.11 南三陸の海に思いを届けよう

地震のあった時間の黙祷、津波の来た時間に志津川湾に向けて思いを届ける時間を、
町民が心ひとつに過ごす集会を催します。
その模様を町民のみなさんが避難しておられる5 市町の6 会場に中継します。

と き:5月11 日( 水) 14:45~15:15
ところ: メイン会場 志津川中学校校庭
  ■中継会場  ホテル観洋( 南三陸町)
           鳴子中央公民館・仙庄館( 大崎市) 
           登米公民館( 登米市)
           中新田交流センター( 加美町)
           伊豆沼ウェットランド交流館( 栗原市)
~インターネットでこの集会のようすを中継いたします~
インターネットの見られる環境でしたら、以下のアドレスからご覧いただけます。
http://www.envisi.org/minamisanriku/

< プログラム>    
14:45 開会  
14:46 黙祷
14:47 町長挨拶
14:52 詩の朗読
14:57 海に思いを届けよう《♪鈴木美紀子( 声楽家) 歌 佐藤正隆( ギタリスト) 伴奏 》
       東日本大震災の犠牲になったみなさまに私たちの思いを届けたいと思います。
       中継会場のみなさまも、歌を聴きながら、キャンドルを海の方角に向かって並べる
       などしてご参加ください。
15:07 ころ 南三陸町福興市のお知らせ  山内正文氏
15:10    全国から南三陸町のみなさんへのメッセージ
15:15 ころ 終了 《進行 渡辺祥子( 朗読家) 》


主催 ENVISI 共催 南三陸町福興市実行委員会 
協力 アサヒ・アート・フェスティバル(AAF)ネットワーク活動支援募金 
   企業メセナ協議会「芸術・文化による震災復興支援ファンド」

お問合せ: ENVISI 吉川由美(090-3123-0956)
ネット中継についてのお問合せ(どうやって見るのかなど)は、門脇篤(070-5621-2301)まで

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