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2008.04.02

農村再生ドキュメンタリー企画作品「ほんがら」、素晴らしかった。

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農村再生ドキュメンタリー企画作品「ほんがら」は、おうみ未来塾の卒業生がつくったまちづくりプロデューサーのチーム「ひょうたんからKO-MA」が制作した映画です。

滋賀県近江八幡市島町(“しまちょう”と読みます)に伝わる巨大松明にスポットを当て、この地でも途絶えてしまった巨大松明「ほんがら松明」を50年ぶりに再生する老人会と、その動きに呼応する地元の青年たちの姿を描いたドキュメンタリー作品です。
この映画は、「アサヒ・アート・フェスティバル2007」の参加企画として製作され、AAFの縁で、宮城県東鳴子での「GOTEN GOTENアート湯治祭」で知られる作曲家・大場陽子さんが音楽を担当しています。

琵琶湖東岸に位置する近江八幡市島町は、橋で結ばれるまでは、まさに湖の中の“島”だった地域です。
昨年、AAFの検証チームとして、モニタリングに訪問させていただきましたが、“水の文化圏”というべき琵琶湖エリアの地の霊ならぬ水の霊を感じ、圧倒されました。
中世からの歴史を持つ集落で、地区の若宮神社には1800年前の石碑が存在します。
この地では、毎年春の祭事で、家よりも高い大きさの巨大松明をつくり、点火するという行事が存在します。松明は集落ごとに作られ、その形は集落ごとの工夫が凝らされています。
島町の「ほんがら松明」は、構造が複雑なのが特徴で、50年前に作られたのを最後に途絶えていました。

映画「ほんがら」の前半の見所は、「なぜほんがら松明が途絶えたのか」が説明されるパートです。
この映画では全編を通して、お年寄りの活躍に目を奪われますが、非常にユニークなこの松明文化の担い手は、集落の“若い衆”であり“青年団”であったことが語られます。
青年団の活動が解体してしまったことによって、「ほんがら松明」は途絶えたのです。
そして、50年の時を経て、「ほんがら松明」は、老人会の皆さんの手によって甦りますが、これは50年前の青年団の取り組みの記憶をたどって再生されたものです。
文化の担い手として、若者のコミュニティ活動が重要であることが非常に明快に示されます。

青年団の解体とともに
若者同士の
ヨコのつながりも
先輩から後輩へのタテのつながりも
失われてしまった。<「ほんがら」より引用>

さらに言えば、お年寄りが元気にいられるのは、若いときのコミュニティ活動の賜(たまもの)なのです。

ビジネスならばともかく、公共性の高い仕事、ソーシャルキャピタルを育む仕事に関しては、旧来の“若衆”“青年団”というモデルを検証し、現代的な形で再構築していく必要があると思いました。

コミュニティの成立メカニズムは、人の一生のライフステージという軸を合わせなければ理解することができません。
さらに、このコミュニティを再構築しようと考えるならば、目先の事物だけを操作することでなんとかなるわけがないです。
人生と人生、人生と歴史、人生と自然を重ねていく長いスパンでの作業が要求されます。

映画「ほんがら」は、島町の人々の生活、自然を丹念に拾い上げていき、その生々しい空気にディスプレイを通じて引き込まれました。

再生されたほんがら松明の点火シーンは、ものすごい迫力で、「おっ!!」とか「やった!!」とか声が出てしまいました。
一人で観ても楽しいですが、大勢で観ても味わい深そう。

“農村再生ドキュメンタリー企画作品”
とありますが、「ほんがら」にはコミュニティ再構築の答えがあるように思いました。
ほんがら松明の再生の取り組みをされた皆さまから、バトンを渡された思いです。

大場陽子さんの音楽も、島町の皆さまの営みにそっと寄り添いつつも、ラストで「ほんがら」の世界の普遍性を明確にする素晴らしい働きをされていて、胸を打たれました。

限定販売のDVDは、サイトから買うことができますので、ぜひとも皆さんご覧ください。
http://gonza.xii.jp/mura/

監督の長岡野亜さん、ひょうたんからKO-MAの藤田知丈さん、お疲れ様でした!

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コメント

HIDEさん

「ほんがら」は、100分の大作ですが、最初から最後まで、引き込まれますよー!

お楽しみください。

投稿: shimoyama | 2008.04.03 06:22

お久しぶりです、ごぶさたしています。
表記作品『ほんがら』、非常に興味を持ったので
購入希望のメールをしてみました。
情報、どうもありがとうございます(^-^)

投稿: HIDE | 2008.04.02 18:04

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