ポツドール「激情」。※加筆しました。
舞台を観るのは僕にとって半分お仕事なわけですが、ポツドールの公演はいち演劇ファンとして超楽しみです。
今回の「激情」は再演、しかも本多劇場ということで、テイストが変わったらやだな、など思いつつSEの岡村靖幸を聞いておりました。
今もっとも注目の劇団だけあって、チラシ束は「25ansかっ!」と言いたくなるほどの厚さ。2cmくらいありました。
*
うーん。
この作品、ポツドール特有の非常に繊細で高度な表現と、とても拙い表現がモザイクのように並べられてて、ちょっととまどう…。
ポツドールの作品群としてはどのように位置付けられるものなのでしょう。
田舎のどうしようもない人々のヒリヒリする傷付けあいは素晴らしい。告白シーンなどの密度も体温が伝わってくるようです。
ナイフですぱっと切り落としたような幕切れには唖然とさせられました。拍手がない異常な空間に放り出されます。
が、劇場のキャパからすれば仕方ないのは分かりますが、現代口語体つぶやき台詞を拾うために仕掛けられたマイクの使い方は練られているとはいいがたい。
修羅場のシーンのリアリティのなさは、ポツドールらしくない。前作「恋の渦」の事件らしい事件もおきないだらだらとした日常を描きつつ完成されたパフォーマンスを見ていると、物足りない。
というかんじですが、トータルな体験としては、2時間半がとても短く感じる優良なパフォーマンスとしか言いようがない。
演劇史が音を立てながら創られていく場に立ち会う醍醐味を味わいたければ、ポツドールを観ると良いと思います。
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コメント
mixiからきました。初めて書き込みします。
遅ればせながら、ポツドール、今週末、初観劇します。shimoyamaさんの評を見ると、楽しみになってきました。
投稿: rie | 2007.03.06 10:34
たしかに今までにはないジャンルですよね。
投稿: かんげきゆう | 2007.03.06 08:02