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2006.03.31

「ドッグヴィル」。

Dog 3時間近い作品だけど、ちっとも長く感じなかった。
これでもか!というくらい、「フツーの人の邪悪さ」を抉るように描く。観ていて気分が悪くなるほどに。
善良なドッグヴィルの村人たちが、だんだんと変貌し、ニコール・キッドマンを下品で邪悪な振る舞いで蝕む姿は、見ていて吐き気がする。こんなのに比べたら、血しぶきが飛んだりする“俗悪な”映画やゲームの方がはるかに罪がない。

全編通して、巨大なスタジオ内に作られた、地面に白線を描いただけのセットで演じられていくという演劇的ともいうべき前衛的な演出が、この寓話的な世界とマッチしていて、少しも違和感を感じさせない。あ、“的”が3つも続いてますね。

あまりにあっけないフィナーレにはちょっと「?」でしたが、本作はトリアー監督の「アメリカ三部作」の第一作目で、同じ主人公の物語が「マンダレイ」に続くそうなので、壮大な世界に付き合ってみようかと。

「ファンタスティック・フォー」も観たんですが、こちらは見終わった後のディスクをフリスビー代わりに窓から投げたくなるような愚作で鼻白みました。まぁ、観るほうが悪いとも言えるが。。。

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「誰も知らない」。

Daremo 「ちばNPOユースフォーラム2006」の前に、日本における貧困家庭を描いている作品を見ておきたい、という作品鑑賞としては、“不純”な動機で観たのが「誰も知らない」です。
しかし、この映画は、ジャーナリスティックな関心を吸収し、乱反射させ、カオスに導く磁場を持った、「アート」だった。

柳楽優弥演じる長男の着ているTシャツが垢まみれになり、ボロボロになっていく様子に目頭が熱くなる・・・。

是枝監督が演出ノートで言っているように、この大人から見捨てられた子どもたちだけの共同体は、決して悲惨なだけではなく、黄金色に輝く時間もあったのであろうことが、よく伝わってくる。
「良い暮らし/悪い暮らし」といった境界を無化する生の営みのリアリティが伝わってくる。

じっさいの困窮家庭の状況を知るものとしては、あんな柳楽優弥みたいな美少年はいないということも思ってしまう。
美は、富の結果となりつつある。この日本でも。

柳楽優弥のネパールの仏像のように謎めいた面(おもて)が、「作品」に神話的な深みを与えている。

メイキングや舞台挨拶で見ると、「単に挙動不審な子ども」にしか見えないので、スクリーンでの佇まいは、すべて「演技」だということになるわけなので、恐るべし俳優だと思う。

柳楽つながりで観た「星になった少年」は、愚鈍な作品で「時間を返せ!」だったが、柳楽優弥の演技だけは良かった。
舞台作品などやってもらいですー。

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2006.03.30

アートNPOいろいろ。

な、なんか頭の悪いタイトルですね、、、

午後、丸の内。
文化庁で、アートNPOに関する勉強会。
いきなし、河合隼雄さんが目の前に座って、動転した。
文化庁長官でらっしゃるので、出席なさっても不思議はないのだが、自分の人生観に決定的に影響を与えた「明恵 夢を生きる」の著者を前にして、緊張するなというのがムリ。

多岐に渡るお話しがでたが、まだまだ行政の方にとってNPOに関する情報は絶対的に不足しているようです。
この辺は、千葉県庁の方とは違う。さすが「NPO立県」と見直しました。

終了後、近くの中華料理店で皆で食事をしているとき、特定非営利活動法人remoの甲斐さんから、アートプロジェクトの記録プロジェクトについてとか、DANCEBOXの大谷さんから大谷さんが暗黒舞踏の踊り手だったりとか、面白いお話をいろいろ伺う。

2次会(?)で、近くにある企業メセナ協議会にみんなで伺い、メセ協の皆さまとなぜか「動物占い」の話で盛り上がった。

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2006.03.26

A History of Violence。

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僕が崇拝に近く愛している映画監督といえば、デビッド・クローネンバーグ。
最新作「ヒストリー・オブ・バイオレンス」は期待に違わぬ素晴らしい出来だった。

映画のストーリー自体は、目新しいものではない。
夫として、父として、平和な市民として生活している男には、殺し屋としての過去があった・・・というもの。

クローネンバーグの今回の筆致は、抑制が効いたもので、表面的にみるならばとても「ザ・フライ」と同じ監督とは思えないのではないでしょーか。
今回の最大の視覚効果、それはヴィゴ・モーンテンセンの存在そのもの。
ひとりSFXです。この人の顔、この人の背中がっ!

どこから見ても平和そのものの家庭が、主人公の過去せいで、暴力に引きずり込まれていく。
おとなしい長男も家族を守るため、ギャングをショットガンで撃ち抜く。
実の兄を殺して団欒の食卓に帰還した主人公を、妻は、息子は、娘は受け入れることが出来るのか?受け入れるとしたらその意味は?受け入れなさえしなければイノセントでいられるのか?
主人公の、妻の、息子の、息詰まる視線と汗ばむ表情のアップのラストシーンは、クローネンバーグ作品中、最も鮮やかな幕切れだと思う。
兄殺しのエピソードを入れたり、最後の殺人のシーンの後に泉で手を洗わせたりとキリスト教っぽいシーンを入れたりしているのは、ご愛嬌として見逃そう(笑
圧巻の、階段でのセックスシーンとかも細部まで行き届いていて、「ゲルマニウムの夜」なんかは気迫が違う。
ぜんぜん関係ないけど、邦画ってセックスシーンがダメだよな。なぜ??

「A History of Violence」は、「A History of Sin」。私たちが今ここで生きているという事実は、私たちとその祖先の「A History of Violence」の証拠だ。
主人公が名前を変えて過去を捨てようとしたように、私たちもまた名前を変えて、殺人者・略奪者としての過去を隠しているに過ぎない。過去でないかも知れない。現在の世界の不公正を知知りながら私たちは、殺人者・略奪者としての自分を隠して小市民として暮らしているとも言える。私たちもまた、「A History of Violence」の登場人物なのだ。
「日本の少年犯罪は増えていない」というのが、統計上の事実ですが、そんな“事実”はぜんぜん人気がなくて、相変わらず“凶悪化する少年”のフィクション話に夢中な人たちは、「A History of Idiot」の登場人物だろうか。

アメリカは最高に嫌いな国だけど、この「ヒストリー・オブ・バイオレンス」や「ミリオンダラー・ベイビー」といった深い思索をアートとして昇華させているというのは事実。

ちなみに、クローネンバーグ作品で最も好きなものを3つ挙げるならば、

・「Mバタフライ」※なんとDVDが出てない!信じられない!!
・「ザ・ブルード 怒りのメタファー」
・「裸のランチ」

なわけですが、グロテスクなビジュアルが魅力のクローネンバーグ作品のもう一つの系譜である、「最もグロテスクなもの、それは人間の心」の系譜である「Mバタフライ」のグループに入る作品か。

猛烈に「裸のランチ」が観たくなってきた。。。

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「船橋まち歩き研究会」。

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「船橋まち歩きマイスター」養成講座の受講者の有志の皆さんと、「船橋まち歩き研究会」の1回目。

5月の「きらきら夢ひろば」に向けて、まち歩きマイスターの研究会をゆっくり進めていく。
まち歩きの達人や、湊町在住の方もいらっしゃって、これ以上心強いことはないですー。

今日は実際に、参加者がつくったコースを歩いてみた。
その後は、蕎麦の「大和屋」で、辛味おろし蕎麦を食べ、昼から熱燗(笑

極楽でしたー。

「ちばNPOユースフォーラム2006」でも新しい出会いがたくさんありましたが、NPO業界以外の人と共同作業することて、意識していないと減ってく一方なので、こういった楽しいことをもっと増やしていきたいです。

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2006.03.23

釧路産の牡蠣。

年度末ですねー。
いろんな報告書の締め切りに追われたり、ストーカーに追われたりと、いろんなものが僕を追ってくる今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?

昨日は午後、蔵本さんと代々木のアリオン音楽財団で打ち合わせ。というか勉強会。
7月のコンサートで担当させていただく、フランスのダンスカンパニー「ブラック・ブラン・ブール」について、リリースを読んだだけではイメージが湧かないので、公演ビデオなどを見せていただき、カンパニーについて、いろいろと教えていただく。
制作担当としては、ダンサーの滞在スケジュールや、飲み物&食べ物の好みやNG項目も把握しておく必要があるのです。
アリオン音楽財団の玉虫さん、大村さんはともかく気さくで、予定以上に話がはずみ、つい長居してしまい、超空腹状態に陥った(笑

帰りに、新宿のGUMBO & OYSTER BARで、釧路産のカキや、ガンボをたらふく食べた。幸せ~。

ちなみにこのお店は80年代の「カフェバー」みたいな酷いインテリアながら、料理はとても美味しい不思議な店です。

しかし、美味しいものでも食べないと・・・死にそう。

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2006.03.22

「ちばNPOユースフォーラム2006」で思ったこと。

「ちばNPOユースフォーラム2006」、盛況のうちに終わりました。以下、感想を箇条書きに。

●今まで知らなかった新しいNPOの人とたくさん知り合いになれた。
●パフォーマンス、トーク、パネルディスカッション、プロジェクト開発室と、とてもバランスの良い好プログラムだった。
●劇団上田のパフォーマンスは最高に良かったが、最後の「歌」のネタはオチが分からなかった。
●劇団個人主義の皆さんが舞台スタッフとして、すごく活躍してくださった。
●小熊さん(特定非営利活動法人こぱてぃ-子ども参画イニシアティブ)は、実行委員長が似合っていた。
●遠藤さん(特定非営利活動法人NPO支援センターちば)は、涼しい顔して、大量の仕事をこなす凄ウデ事務局長だった。
●山浦さんは、一見頼りなさそうに見せて、多くの人を動かす、コミュニティの要だ。
●宮本みち子先生は、とても若者に対して親身になってくださった。
●千葉県のNPO活動推進課の方は、休日にもかかわらず来てくれた。だけでなく、とても関心を持って来てくださったということがヒシヒシと伝わってきた。
●船橋市の自治振興課の皆さまが、家族連れで来てくださったのが一番うれしかった。合掌。
●宮澤さんは、先週くらいまで、中学生のようだったが、すっかり「デキる女」オーラが出ていた。
●大場くんは、先週くらいまで河童だと思っていたが、とても頼りになる「ニイちゃん」になっていた。
●「コミュニケーション力(りょく)」なるものは、そろそろキチンと検証する必要がある。
●「ちばNPOユースフォーラム」を評価するには、相当の見識が必要。

そう。誰にでも分かる良いものというのは存在する。しかし、絵・ダンス・演劇・映画・建築・政策etc.評価するのには、それなりの力(ちから)が必要。昔、坂本龍一が、「(坂本龍一自身よりも)音楽的な才能のない人が評論するなんてできるわけない」というようなことを言っていたが、「ちばNPOユースフォーラム」のようなプロジェクトを回していくことができない人には、「ちばNPOユースフォーラム」の真の価値は理解できない、と思う。

ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。

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2006.03.20

明日は、いよいよ「ちばNPOユースフォーラム2006」。

今年の「ちばNPOユースフォーラム2006」は、小熊さん(実行委員長)、山浦さん(副実行委員長)、遠藤さん(事務局長)の3人をトップに、柔らかなネットワークから、波が広がるように人の輪が広がっている。

10代、20代前半、20代後半、そしてもっと上、といった異なる年齢層の元気がよくてなおかつ力もある若手NPOスタッフが、千葉県各地、茨城、埼玉、東京、横浜といろいろな地域から参加してくれている。
ネットワーク型のプロジェクトとして、ちょっと凄い状態だと思う。

「NPOの研究者」なる人や「NPOのネットワーク」を作りたいと考える人が存在するのならば、駆け足で来て、まずこのコミュニティを見ることだ。などとたまにはちょっとエラそうに結んでみる今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?(と、きっこの日記風)

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2006.03.19

アーツアポリア オープンアトリエ『どこかに繋がる場所』

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大阪出張。
大阪アーツアポリア企画のオープンアトリエ 『どこかに繋がる場所』のゲストにお招きいただきました。

今日は、このプロジェクトに参加しているアーティストによるプレゼンテーションがメインで、僕はコメンテーター。

トークセッションに先立って、展示を観て回りました。
どのアーティストの作品も、質が高く、アーツアポリアの巨大レンガ倉庫と見事にマッチしていてカッコいい。
梅田哲也のサウンドインスタレーション、さいとうあずさのペインティング作品が特に高いクオリティで新鮮な衝撃だった。

会場にセッティングされたコタツに入ってのコメントは、支持されてやったものの、よく考えてみたら、相当恥ずかしい図だったのでは・・・。
アーティストの皆さんのプレゼンテーションは、とてもしっかりした内容に驚く。
福重明子さんの病院でのプロジェクトは、つくりが丁寧で、今後期待大ですー。

休憩時間に背中を叩く人が・・・と思うと、南隆雄さんだ!
福重さんのお友だちということでいらしていたのだそうです。映像ユニット・るさんちまんでの横浜トリエンナーレ参加も記憶に新しい南さんですが、現在注目は“樺太”だそうです(笑
パーティで南さんといろいろとマル秘トーク。

これだけ元気のいいアーティストと、数ヶ月に渡ってガップリよつに取り組むアーツアポリアは、本当に偉いと思う。尊敬、です。
アーツアポリアは、ゆったりとしてるし、人懐っこい人が多い。団体の理念は、細部に表れるものですが、一つ一つのことば、振る舞いが柔らかでかつブレがない。

中西さん、木坂さん、小島さん、ありがとうございました。

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2006.03.11

「船橋まち歩きマイスター」養成講座、終了と始まり。

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振り返ってみると、今年一年間、「休日」というものがなかった・・・。

「船橋まち歩きマイスター」養成講座、最終回。
「モデルコースをつくる」という題で、講師は下山浩一さん(笑

受講者の皆さまに宿題として出してあった、モデルコース案をプレゼンしていただき、受講者相互評価を行った。

「船橋市本町通りを中心にしたコース」というお題でしたが、「寺社めぐり」「買い物」「海老川と船橋漁港」と、魅力的かつバリエーションに富んだコースが提示され、改めて今回の受講者の皆さまの力に感服いたしました。
今回の講座は、17歳から87歳までが入り混じって学ぶというすごい層の厚さでしたが、船橋市本町通り商店街・中村帽子店の87歳のご主人が全回受講し、講師の話を、補足してくださる豪華版。

今日は、ガイドの心得の中で、僕がお話しした「ツアー参加者の発言に対しては否定的なことばを使わない」という部分について、中村帽子店のご主人が「とても大切なこと。学ばされました」と仰って、こちらが恐縮してしまいました。自分が87歳になったとき、これほど謙虚で柔軟でいられるだろうか???

「船橋まち歩きマイスター」養成講座は終了しましたが、今回の受講者がもとになって、「船橋まち歩き研究会」が発足し、名誉会長は中村帽子店さん(笑

創造の醍醐味は、作品が作者の手を離れてあたかも一つの生命体のように動きはじめることですが、今日のエンディングも、まったく僕の予想の範囲を、超えている。

僕は、ファシリテーションには自信がある方です。が、今回は、ファシリテーターのコントロールを超え、僕を含めその場にいた全員が関わって、新たなコミュニティが出現した。こんなことはそうそうあることでは、ない。

受講者の皆さま、船橋市本町通り商店街振興組合の皆さま、黄金の時間をありがとうございました。

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